もともとそうよくはなかった花子の知性は、 彼女の頭に花が咲き始めたころから、 前にもまして低下している様子であった。 多分花が花子の脳から養分を吸っているせいである。

「この子ったら自分の状況をわかってるのかしら。」
「うー、お花さん、きれいだボン。」
「こんなところで育て方を間違ったとかウダウダ言ってるべきじゃないわ。 こんなときこそ手助けしてやるのが親の役目よ。」
「パパ死んじゃった。でも、ママ美人だボン。」
「そうだ!生前にあの人の発明した頭の良くなるジーパンが・・・!」
「あたしジーパンはかないボン。ミニスカもヤダボン。」
「そうよ、あの人もきっとこういう事態を予測してたんだわ! こんなものが今頃役に立つだなんて!」
「パパは天才だボン。ドクター中松ともお友達だって言ってたボン。」
「はっ!中松!」

その時、美佐枝は思った。
『これは中松の陰謀だ。』
そういえば一度、花子が生まれる以前に、 中松が美佐枝に迫ってきたことがある。 中松は無理やり美佐枝の唇を奪おうとしたが、 既に真吾との結婚を控えていた彼女は、当然のようにそれを振り払った。
『なんて不謹慎な人だ。』
若かった美佐江は心の中でそう思った。 中松はそれを察したのだろう、急に大人しくなって部屋を出て行こうとした。 ホッとした彼女は、去り際に中松が言った言葉など、まるで気にとめなかった。
「君、花は好きかい?」


東海女子短期大学第254回目公演
花色賛歌
脚本  赤塚不二子
演出  エジソン
とき  2479年3月25日(桜前線到来予定)
ところ 大阪国際こたつでみかん劇場
かね  3000円みたい(税込)

乞う御期待!
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